冨田五郎さんの草木染め
らくやでは、たくさんの草木染めを紹介していますが
今回の特別展「冨田五郎」の草木染めは今までとは全く違ったものなんです。
今や染織家としてたくさんのファンを持つ五郎さん。
最初に就職をした呉服屋さんで少々の草木液を入れほぼ化学染料で染めた反物を
「草木染め」として売られていることに義憤を感じられたそうです。
100%の草木染めでなければ、お客様の信用を裏切ってしまうのではないか、、、
そう思った冨田さんは「私が100%純粋な草木染めを作る!」と覚悟を決め
独自の染色技法を見つけ出す研究を始められました。今から約50年も前のことです。
草木染めは、光・摩擦・水に対する堅牢度(けんろうど)が弱く、
なかなか製品として流通するには繊細すぎるという弱点がありますが、
ここが大量生産品にはない味わいであり、織物・染物の魅力となります。
通常の草木染めは、採集した草や木を煮沸して染液を作る手法ですが、
冨田さんは研究に研究を重ねた結果、
アルコールにつけて染液を抽出する「薬草染め」という手法を開発されました。
これにより、変色しにくく長期保存ができるようになり、
光・摩擦・水の堅牢度検査もパス、アルコールは蒸発生が高いため
引き染めしても自然の色合いを布に表現できるようになりました。
研究・実験用に採集した植物は1000種近くにもなるそうです。
「アルコール抽出法は膨大な数の実験をしなければならず、
当初はああ私は馬鹿なことを始めたと思いましたが、
男の気持ちとして“やり通す”しかないと続けました」
と、笑顔で語る冨田さん。
素敵な方ですね^ ^
らくやでは約6年ぶりとなる企画展。
以前お買い求めいただいたお客様も着やすさとコーディネートのしやすさで
2枚目3枚目とまた違った反物をお求めいただいております。
たくさんの方に、ぜひ手にとって見ていただきたい100%ピュアな草木染めです。
「冨田五郎」 〜薬草の力を宿した力強く美しい布たち〜
2018年4月21日(土)〜30日(月・祝)
11:00〜19:00 水曜定休