文様よもやま話_其の5「雲」

みなさまいかがお過ごしでしょうか?

気楽に読める文様のお話

お付き合いいただけますと幸いです

 

お家で過ごされる際などの

ちょっとした息抜きになれば嬉しいです

 

5回目は「雲」です


 

五月の晴れ渡った青い空に真っ白な雲

いろんな形の雲は眺めていても飽きません

 

雲間から幾筋かの光が差す光景には

なんとも言い知れぬ感情を抱いた事が

誰しも有るのでは無いでしょうか

 

古今東西、様々な民族や宗教にとって

大多数の神なるものが住んでいる場所としての

天界、天国、天上の場所と考えられていた天空

そこに浮かぶ雲が吉祥の標(しるし)となったのは

今を生きる私たちにも容易に納得できる感覚ではないでしょうか

 

また穏やかな晴天に浮かぶ雲ばかりではなく

豪雨や雷といった嵐を伴う天災とも結びつき

人智の及ばない畏怖の対象ともなりました

それに関連して俗説では有りますが昔から恐しいモノの

代表として「地震、雷、火事、親父」と有りますが

このオヤジは台風や酷い嵐を表す=大山嵐〜おおやまじ〜が

訛って伝わったのではとも言われています

 

また、雷を「稲妻」と言う様に雷が多い年は豊作と言われたり

嵐=雨の恵みになったりと天災と恵みは紙一重であったのも

多くのアミニズム的古代神話※において雷神が

最高神と同一視されていたのも肌感覚で実感できます

※ゼウス、ユピテル、インドラなど

 

雲文様の中でも西遊記の孫悟空が乗っている渦を巻いた

筋斗雲〜きんとうん〜の様なフォルムの雲は家紋や

お寺や神社などの装飾、仏具のあしらいで良く目にし、

また龍、鳳凰、風神雷神、飛天といった

聖獣や神様を描く際にもよくあしらわれています

 

五色幕などに用いられる様な鮮やかな色を施す事も多く

大陸的なエキゾチックな魅力がある様に感じます

 

それに対して洛中洛外図屏風などの大和絵で描かれる

モクモクした金色の雲はなんとも穏やかで

ゆったりとした存在感を感じます

 

横に長い霞(すやり霞)を用いる事もありますが

絵巻物などでは「ここで時間が経ったよ」

「場面が変わったよ」というお約束ごととして

屏風絵では空から見ている様な効果と共に

余白としての美しさに加えて

その下には何が有るのかと想像する楽しさ

 

その想像させる力がきものや帯の「雲取り」の

あしらいに発揮されています

 

雲の形を縁取った中に様々な吉祥文様を配したり

シルエットとして描く事で広がりを感じさせたり

【D-64】雲取り柄訪問着

【W-68】雲に四季の花振袖

 

霞紋の様にスッキリモダンな雰囲気に対して

曲線が醸す優雅でやさしげな情緒はどこか

愛らしい魅力を感じます

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